予告でも滋賀県民からは「汚く書いた方が入選しやすい」「皆、墨が飛び散ってるのが当たり前」との発言が・・・。これは一体どういうことなのか、その謎について事前に調査してみようと思います。
滋賀県民のダイナミック書道の真相
公益社団法人滋賀県書道協会の指導理念
滋賀県の書道が非常にダイナミックである由縁は、滋賀県書道協会の常識にとらわれない「特色のある指導理念」にあることが判明しました。
下記に指導理念の一部を抜粋しました。
■育てよう子どもの書
毛筆で楽しく!
「児童画」があるように、子どもには子どもの書があります。
毛筆指導は楽しく学ぶ中で、墨や筆などの用具・用材に慣れ、その使い方を身につけさせ、自ら考え、工夫し、生き生きとした書を書くことを目指しています。これはこれからの教育として重視されている「アクティブ・ラーニング(課題解決学習)」の理念にも沿う方針です。
硬筆でしっかり!
一方、硬筆での指導は、読みやすくすっきりとした文字がどの子も書けることを目指しています。姿勢、鉛筆の持ち方から始まって、美しい文字の原理を発達段階に合わせて合理的に学びます。小・中学生対象の競書誌『書の友』では、「毛筆指導」と「硬筆指導」の目標を明確にし、全ての子どもが書字に親しみ、自信を持って文字を書くことができることを目指しています。
引用:https://www.syodo.or.jp/
滋賀県の書道の特徴を要約すると、以下の3点となります。
・とにかく太く大きく書く
・「とめ」「はね」は自由
・バランスよりも勢い重視
実際に小学生の書道を見てみましょう。
写真は滋賀県書初め展覧会の入賞作品の一部となりますが、子供らしくのびのびと書いている作品が、受賞している感じですね。
決して上手な訳ではありませんが、この方が個性があって見る方も楽しいかもしれません。
子どもらしい可愛らしい作品や、パワフルな作品、ロウ書きやボンド墨作品など、若さ溢れる素晴らしい受賞作品です。
引用:滋賀県書道協会
またこの方針は子供だけに限らないため、大人の受賞作品も、正直何て書いてあるのかわからない字になってますね。
滋賀県では硬筆作品展覧会もあり、年間に数多くの展覧会を開催しており、滋賀県書道協会の活発さが伺い知ることができます。
滋賀県書道協会は毎月書道誌を発行しています。
書の友(子供の毛筆・硬筆)、書棚(高校生・一般向け書道誌)の定期購読も可能となっており、通信販売も取り扱ってます。更には、HPでは優秀作品を掲載するなど、他県とは比べてものにならないほど、書道協会は頑張ってる気がします。
他県との比較
滋賀県の書道理念の独自性がよくわかるよう、書初めの入賞作品を他県と比較してみたいと思います。
同じ書初めでも、滋賀県は独自の世界観がありますね。これも個性でしょうけど、番組の予告で「汚く書いた方が入選しやすい」というのも、字から感じる力強さや、自由さといった面が評価されるのではないかと思いました。
また、滋賀県の書初めは共通して太字なのがわかりますか?
通常の書道の場合、大筆、小筆を使用しますが、滋賀県の子供たちは書初め用の大筆を使って書くため、字の太さに違いが出るようです。
なかなか、おもしろいですね。
筆者も祖父が書道の先生だったため、小さい頃から書道を習っていましたが、書初めの時は大筆を使い墨を大量につけるため、勢いよく書こうとすると、あちこちに墨が飛び散るんですよ!
だから、家のじゅうたんや畳、壁を汚したり、衣類を汚したりして怒られた記憶があります。
だから、予告で滋賀県民が言ってた、「墨が飛び散るのは当たり前」というのも大筆を使うからなんでょうね。
まとめ
今回『秘密のケンミンSHOW』で、滋賀県民のダイナミック書道が取り上げられるため、なぜダイナミックなのか、番組予告で滋賀県民が言っていることは、どういうことなのか調べてみました。
結果、滋賀県書道協会の指導理念がユニークで独特だということが分かりました。
これにより、他県と評価基準が違うためダイナミックになること、そして墨が飛び散るのも大筆を使用することが原因と分かりました。
滋賀県書道協会の指導理念は伝統があり、70年近くもこの指導方針のもとで行っているんです。
こういう独自の考えと信念をもって、他県とは違った評価基準の指導方針があるということは、良い事でありつつ大変なこともあるかと思います。
でも70年近くもこの指導方針が批判されずにきたということは、滋賀県書道協会のやり方が国や他県からも認められているからこそだと思います。
型にはまらず自由に書いた方が、本人も楽しいし、作品の可能性も無限に広がるのではないかと経験者の自分も感じました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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