2024年3月24日の『ザ・ノンフィクション 』では、「ボクらの丁稚物語2024前編〜夢のはじまり 夢の終わり〜」といったタイトルで、「秋山木工」について放送されます。
秋山木工と言えば、「丁稚奉公」で一流職人を目指すことで有名な横浜市にある家具製作会社です。
今回は、あらためて秋山木工の「丁稚の10のルール」と職人心得30箇条について紹介します。
秋山木工の丁稚の10のルールとは?
秋山木工では、学生として1年(丁稚見習い)、丁稚で4年の5年間で基本的な訓練と段取り、また職人としての心得を学び、その後職人として3年間働き、8年経ったら辞める決まりとなっています。
秋山木工で定められている、丁稚期間中の5年間は「丁稚に課す10のルール」を守る必要がありますが、どんなルールが定められているのか紹介します。
また、それぞれのルールに対し、個人的見解も述べさせていただいてます。
自己紹介がきちんとできないと入社できない
名前・出身地・卒業した学校・家族構成・8年後の自分の姿・なぜ秋山木工に就職したのか・将来の目標。
完璧に言えるまで何度でも練習する。
この内容については、そんなに違和感は感じません。
入社に際し、自分の事を紹介する、志望動機、将来の目標を語ることは、就活でも当たり前のことだと思います。
入社したら男も女も全員坊主になる
丸坊主になるのは、これから始まる4年間の厳しい丁稚修行に身を投じる覚悟を決めるため。
秋山木工の入社ルールとして30年間続いている。
今の時代には、非常に違和感を感じます。
しかも女性も坊主はどうなんでしょう?
高校野球も「脱丸刈り」が広まってきてる時代ですからね。
携帯電話は禁止。連絡手段は手紙だけ
携帯で話すのはもちろんメールも禁止。代わりに手紙を書く。
文字を書くことも訓練の一つ。お客様に礼状一つ書けなくては仕事が務まらない。
携帯電話禁止で連絡手段が手紙だけとは、昭和を感じますし違和感を覚えます。
文字を書く、お客様への礼状を書くことは大切だと思いますが、今の時代パソコンでも良いのではと思ってしまいます。
家族と会えるのは、盆・正月の帰省時のみ
自ら選んだ道とはいえ、二十歳前後の若者たちが親に会えば里心がついてしまう。
仕事に集中し、修行生活に慣れるためには心の緩みは禁物だ。
これも今の時代には違和感を感じてしまいます。
言ってることはなんとなく理解できますが、精神論のような気がしてしまいます。
親からの仕送り・小遣いは禁止
職人の命である道具は苦労して稼いだ給料で買う。
研修期間は薄給だが、親に買ってもらえば道具を大切にする〝心〞を失うことになりかねない。
道具を自分で稼いだ給料で買うことは理解できます。
親からの仕送りや小遣い禁止は、丁稚という立場を考えれば理解できる気がします。
研修期間は、恋愛は絶対禁止
恋愛が発覚すれば即刻クビ。一生の技を身につけるため、
4年間は一流の職人になること以外は考えずに、プライベートは捨てて修行に専念。
恋愛発覚でクビは厳しいですね。
4年間とはいえ、年頃でプライベートを捨てるのはどうなんでしょう?
私は一流職人になれないと実感しました(笑)
起床は5時前、マラソンからスタート
マラソンは毎朝、全員参加で行われる。町内をぐるりと一周、約15分かけて走る。
気が引き締まり、みんなで一緒に走ることで連帯感も養える。
連帯感を養う意味では一理あると思いますが、5時起床でマラソンとは、朝から疲れてしまいます。
食事はみんなで作る。好き嫌いは一切禁止
朝食は秋山社長以下、丁稚が総勢20人集まって食べる。食べ物の好き嫌いは仕事の好き嫌いに通じる。
そのためにも苦手をなくすことが大切だ。
食事をみんなで作ることは良い事だと思います。
食べ物の好き嫌いが仕事の好き嫌いに通じるとは思いません。
これも精神論のような気がします。
仕事はじめは、掃除から
朝食後、町内を清掃してから仕事を開始する。
日頃、木を切る機械音で近所に迷惑をかけているお詫びから始めたが、反対に町から表彰された。
社会貢献的なこういった事は良い事だと思います。
特に異論なしです。
朝礼で職人心得30箇条を唱和
職人心得30箇条は秋山木工の社訓。一流の職人とはどんな職人なのかをいつも忘れず、頭に置いておくため、毎朝必ず全員で唱和する。
まず、30箇条は多すぎます。
毎朝唱和するのも、ちょっと違和感。
目的は理解できるますが、せめて重要なものに絞り、5箇条くらいに絞ってほしい。
以上、自分は秋山木工に向いてないことがよくわかりました。
秋山木工の職人心得30箇条
毎朝必ず全員で唱和する「職人心得30箇条」がこちらになります。
1、挨拶のできた人から現場に行かせてもらえます
挨拶はコミュニケーションの第一歩です。
また、人との信頼関係を築いていく上で大切です。
2、連絡・報告・相談のできる人から現場に行かせてもらえます
常に報告、連絡、相談を行うことにより、指示を出してくれた方に安心していただき、
何かあったときにすぐに対処することができます。
3、明るい人から現場に行かせてもらえます
明るい職人さんのまわりには人が集まり、仕事がいただけます。
4、まわりをイライラさせない人から現場に行かせてもらえます
お仕事はチームプレーです。集団行動の中で人をイライラさせないためにはまわりに合わせ、
協調性のある行動をとることが大切です。
5、人の言うこと正確に聞ける人から現場に行かせてもらえます
指示された内容を正確に理解し、素直に行動することが大切です。
6、愛想よくできる人から現場に行かせてもらえます
いつも愛想よくしていることにより、まわりの方に気持ちよく作業していただけます。
7、責任を持てる人から現場に行かせてもらえます
仕事に失敗は許されないので、緊張感を持ち、仕事を最後までやり抜くことが大切です。
8、返事をきっちりできる人から現場に行かせてもらえます
わかっているのか、いないのか、意思表示をすることにより仕事のミスをなくします。
9、思いやりのある人から現場に行かせてもらえます
相手のことを自分のことのように考え、行動できることが大切です。
10、おせっかいな人から現場に行かせてもらえます
人の幸せだけを願い、行動できることは大切です。
11、しつこい人から現場に行かせてもらえます
人間の限界を決めず、技術も人間性もとことん追求していくことが大切です。
12、時間を気にできる人から現場に行かせてもらえます
時間はお金より大切なものだと言われています。
もたもたしている人は一流の職人になることはできません。
また、時間を守ることで相手から信頼していただけます。
13、道具が整理されている人から現場に行かせてもらえます
いつお仕事をいただいてもすぐ取りかかれるようにしておくことが大切です。
14、お掃除、片付けの上手な人から現場に行かせてもらえます
仕事の最後の仕上げであり、次の仕事の段取りでもあるので大切です。
15、今の自分の立場が明確な人から現場に行かせてもらえます
自分の立場をわきまえることにより、常に謙虚でいられます。
16、前向きにことを考えられる人から現場に行かせてもらえます
後ろ向きに考えていては前に進めません。これから自分がどうなりたいのか、
そのためには何をすべきなのか考え、行動することにより、日々成長していけます。
17、感謝のできる人から現場に行かせてもらえます
人は一人では生きていけません。常にまわりの方に支えていただいていることを感謝し、
その感謝を行動に移せることが大切です。
18、身だしなみのできている人から現場に行かせてもらえます
社会人の最低限のマナーであり、身だしなみを整えることで
気持ちよく安全に家具をつくることができます。
19、お手伝いのできている人から現場に行かせてもらえます
まわりをよく見て、人が何をしてほしいのか察知して動けることが大切です。
20、自己紹介のできる人から現場に行かせてもらえます
自己を見つめ直し、相手に自分を知っていただくことが大切です。
21、自慢のできる人から現場に行かせてもらえます
お客様のために、どのようなものを、どう工夫したのか説明できることが大切です。
22、意見が言える人から現場に行かせてもらえます
意見を出し合うことで、いいものを素早くつくることができます。
23、お手紙をこまめに出せる人から現場に行かせてもらえます
親には近況報告をし、こまめにお礼状を書くことにより、人の輪が広がります。
24、トイレ掃除ができる人から現場に行かせてもらえます
一番汚れる場所を磨くことで、自分の心も磨かれます。
25、道具を上手に使える人から現場に行かせてもらえます
道具を自分の手足のように使えることで、
お客様に感動していただける家具をつくることができます。
26、電話を上手にかけることができる人から現場に行かせてもらえます
相手の顔が見えない分、簡潔にわかりやすく伝えることが大切です。
27、食べるのが早い人から現場に行かせてもらえます
食べることにも段取りが必要です。
集中しておいしくいただく癖をつけることで、仕事の効率も上がります。
28、お金を大事に使える人から現場に行かせてもらえます
丁稚見習いたちは、秋山学校からの奨学金と実家からの仕送りで生活しています。
お金が生まれる過程を正確に理解し、大切に使うことで感謝の気持ちを表せます。
29、そろばんのできる人から現場に行かせてもらえます
頭の回転や計算を早くすることで、仕事の効率が上がります。
30、レポートがわかりやすい人から現場に行かせてもらえます
その日学んだことを頭の中で整理し、
わかりやすく書こうとすることで、もう一度身に付きます。
以上、職人心得30箇条でしたが、いかがでしょうか?
これを毎朝必ずはしんどいですし、30箇条は多すぎますよね。
まとめ
今回は、秋山木工の「丁稚の10のルール」と職人心得30箇条について紹介しました。
どの世界も職人になることは非常に大変なことは理解できます。
ただし、今は時代の変化が早いこと、時代と共に価値観や常識が変わる現在においては、正直、違和感を感じてしまいました。
今後、秋山木工として、変化することも必要だと思われますので動向を見届けたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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